10月 29 2006
一番好きな味

日ごろ良く訊かれて、困る質問(?)に、
「一番好きなお菓子は何ですか?」というものがあります。
その質問で思い出される話。
一休さんが、ぜいたくな将軍様を疲れさせて、
「日本一おいしい握り飯だ!」というやつありますよね。
でも後日、魯山人の本を読んだときに
「料理の道にあるにもかかわらず、『時にお腹が空いたときの握り飯』
と答える愚か者がいるが、言語道断だ。技術を磨くべき人間のそういった答えは、
自分の仕事を全て否定することではないか。云々。」
みたいな箇所があって感心したことがある。
だから、以後そう答えないようにしている。
いるんだけど・・・・・・・。
例えば、「おばあちゃんの作ったおはぎ」みたいな話。
おばあちゃんとか、お母さんが作ってくれたおやつは、とってもおいしい。
でも、大概そうした記憶は何をたべたか?ではなくて、
圧倒的な鮮度と誰と食べたか?が大事なんじゃないかなあ…。
(もちろん喜んでもらおうという愛情も必要ですよ。)
菓子屋としては、
「子供のころよく食べて好きだった。」とか言われるのは、とてもうれしいです。
・・・・・・・・・・
と、ここまで書いたらウチの嫁が、
「毎日来てくれる杖ついたおじいちゃんが、毎回ぜんざいぬるめで!って言うのよねえ。」
…そういうありがたいお客様のためにも毎日やっております。笑
結局、また来たくなる店で、「飽きのこない味」が一番なんだろうなあ。