2月 21 2018
雀おどりと、ういろの「伝統製法」の根拠
あるお客様から「伝統製法とは何ですか?」とお問合せいただきました。
また、「伝統」である以上は、長く続いている根拠があるのですか?
というお問い合わせです。
現在、一口ういろに入れさせていただいている栞(しおり)の表紙には
こうした文章を載せております。
一見難しいですが、内容を書き下すと
菓子司雀おどり總本店の創業は古く、
安政年間(1853~)爾来百有余年六代、伝家の糯法に精進し広く世間に求められてきた
以前は(大須観音の)門前町屋号を宝餅と名乗っていたが
店頭看板の商標図柄を世間で評判になったので、後に屋号を雀踊と改称。
本店舗を南大津街に転じ、
今同系に属する店舗は(名古屋)市内に十店舗以上あり繁盛している。
昭和27年 店主
と書いてあります。
この文章は、今から66年前の昭和27年(1952年)に
現在の本店店舗が名古屋市中区栄南大津通にオープンした時に用意された
木製の看板から写したものであります。
では、「伝家の糯法」とは何でしょうか?
現在まで雀おどりのういろ製法は、砂糖、米粉、をお湯で煉り合せて
長時間強い蒸気を当ててせいろで蒸し上げる製法を続けております。
また「長時間・せいろ蒸し」の製法で膨らんで蒸しあがった大きなういろを
ひとつづつ切り分けることで、雀おどりのういろが持つ独特の米粉の香りと、
のびやかな味わい・モチモチした食感が生まれます。
私の子供のころ(45年ほども前)から
店内には古くからもう一枚の看板が掲げられておりました。
これ何の字だろうか?と読めない文字(さすがのIMEパッドでも変換できない)
でいたのですが、調べてみると、
と書いてありました。
これはまさに「米をせいろで蒸しあげている」文字そのもの。
(読み方は、「かす」=米を蒸し上げることの意味です。)
先人たちが代々受け継いできた製法、
形作った味の良さを、より多くのお客様に知っていただきながら
次代につなげて伝えていく。そうした活動をこれからも地道に続けて参ります。