3月 05 2011

どうしようもないこと

 

きょうは朝から、50年近く使った餡炊きの釜を取り壊しました。

今まで何万回の餡をこの釜は炊いてきたのでしょうか?

何人の職人さんが、この釜で餡を炊いてきたのでしょうか?

私も何度か炊いたなあ。

 

ワイヤと、むき出しの鉄の歯車の組み合わさった姿。

鈍く光るプロペラはとても今風ではなく、レンガの土台に今は貴重なほう金製の八升鍋。

 

もっと大切にしたい気持ちもあったのですが、

土台が大きくひび割れてしまい、今回の始末になりました。

 

私は朝から何回も写真を撮り、お袋は塩と日本酒で清めてきれいにして…。

自分で決めておきながら、一度壊したら、もう手に入らないもの。

お金で買えないものに思いを馳せ…。

とても名残惜しそうにしている私たちでした。

 

 

ふと振り返ると、72歳の親父がじっと見ています。

さぞ感慨深いだろうと思い話しかけると、

 

これから導入する釜はどんなふうか?

どれぐらい性能かと、悲しむよりわくわくしているようです。

 

なるほど、与えられただけの思い出にすがりつくより、

自分で作り、使い切ってさらに新しい機械に期待する力強さ。

   

  

なるほど、歴史とはこういうものかと。

思い直して、パチリ。

  

 

2コメント

2 コメント to “どうしようもないこと”

  1. ハル2011/03/16 at 8:40 AM

    はじめまして。
    北海道からです。娘がそちらの、お菓子が大好きです。
    私たちは、縁あって名古屋へ昨年いって、そちらの店舗を発見し、二人で何度も通いました。
    この釜であの美味しいお菓子の餡が作られていたのですね。
    そちらへ通うたび、心が癒されました。
    サイトをやっと発見できて、とても嬉しいです。
    新しくなっても、優しいお菓子を作り続けてください。
    また名古屋へ行ったら、一番に食べにいきます。
    釜の歴史。素晴らしく感慨深いものがあります。

  2. chun-suke2011/03/16 at 1:03 PM

    はる様

    ありがとうございます。

    いただいたコメントは、
    工場内に掲示して、皆で喜びたいと思います。

    一日づつあたたかくなる春ですが、
    東北大震災のニュースで、重苦しい気持ちになります。

    生活に影響などありませんでしょうか?

    新しい釜も順調に動き出しております。
    またのお越しをお待ちしております。

    よろしくお願いいたします。

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